1.築80年超えの家
私は幼少期を祖母の家で過ごしました。
築年数が80年を超えていることもあってか、雨漏りは当たり前、隙間風だらけ、床はギシギシ鳴っていました。
今考えると、とても住めたものじゃありませんでした。
2.ついにリフォーム
私が祖父母と同居し始めてから3年程経ったある日、一人の大工さんが訪ねてきました。
その大工さんは、祖母と何やら綿密に打ち合わせしているようでした。
すると祖母が私に
“おうちが綺麗になるよ”
と言ってきました。
当時幼稚園児だった私は、何のことかさっぱり分からないまま数か月が経過しました。
みるみるうちに、祖母の家の古い物置が、真新しいワンルームに変わっていったのです。
祖母は私に、
“今日からここにベッドを置いておやすみしようね”
と言ってきました。
その日から私は、ワンルームで生活することになりました。
その部屋で仮住まいをし、その間に水回りや玄関などをリフォームすることになりました。
3.思い出のワンルーム
家全体のリフォームが終了した後、家族はワンルームから元の部屋に戻りました。
でも、私は
“一人の部屋ができた!”
と有頂天になり、そのまま高校を卒業するまでワンルームで過ごしました。
友達と遊んだり、彼女とお家デートしたりと、たくさんの思い出が詰まっています。
正直、元の古いままの家だったら、友達や彼女を呼べませんでした。
私の思い出は、リフォームを決意してくれた祖母が作ってくれたと思っています。
おばあちゃん、ありがとう。